「いつまでそこに突っ立ってるつもりだよって……なんで」
驚いた翔斗は急いで持っていた生クリームを置いてあたしの所に来る。
やばい!
何想像して泣いたりしてるんだ。
床を見るとあたしの涙がまーるく跡になっている。
そして急いで涙を拭って、今更だけど平然を保とうした。
「もしかしてアイツか?」
「違うよ、急に泣いたりしてごめんね。何ともないから心配しないで!」
ここまで翔斗はあたしのために犠牲にしてきたことがたくさんあると思う。
それで初恋の邪魔まではさすがにできない。
腕まくりをして「よーし!ホイップクリーム100本ノック!」なんて大きな声を出しながらキッチンに入った。

