翔斗は窓を開けて、外を見つめたままあたしに言った。
「明日のケーキはすべて俺が作る。
けど、ホイップクリームは未桜に任せる。
本番では何も俺からは言わないから自分で判断すること、いいな?」
そんな大役あたしに任せてくれるの?
だってホイップクリームって当たり前だけど、中にも塗るけど第一印象を与える外にだって塗る。
特訓してもらったってまだまだなのに……。
「……あの」
「なんだよ、やりたくないなら俺がやるから。
その代わり本当に見てるだけだからな」
せっかく良いとこ譲ってやったのに!と言いながら翔斗は窓を閉めている。

