小さい頃からずっとキッチンに閉じ籠ってケーキばっかり作ってそうな想像が簡単につく。



「俺は記憶を掘り返さないと思い出せないくらい印象にないけど



翔斗はこのテーマやりやすいよなー!」



「え、そうなの?」



意外だ。でも翔斗の恋ってどんなのか気になる。



目をキラッキラにしながら、翔斗の方に「話して!」と念じてみた。



「余計なことを未桜に吹き込むな」



だけど翔斗はあたしの視線を丸っきり無視で、手であたしを視界に入れないようにしている。



「初恋がまだ続いてることも?」



べっと舌を出して、これでどうだ!とばかりの表情をしている尚くん。



「お前、本当に怒るぞ……」



「ごめんごめん!つい出来心で」



そんな怒んなよと翔斗を宥めている尚くんに、そこだけキャッチしたルイくんと苺子ちゃんは



「初恋が続いてるってことは翔斗に好きな人がいるってことー?」



「誰だよー!教えろよー!気になるだろ!」



翔斗の腕を掴んでせがみ始めた。