うわっ!何かされる!!



翔斗はまだ何も内容は言ってないけど良いことは起きないと察した。



それなら言った方が絶対マシだ。



「話すから!全部話すから杖はしまって!」



「するつもりなかったけど、だったらさっさと話せよな」



杖をポケットにしまいながら、「はぁ~」とため息を吐く翔斗。



そんなため息を吐かなくたって。



あたしだって今日は翔斗も疲れただろうし、気を遣ったつもりなのに。



結局、あたしは調理室の前にあの人の声が聞こえたこと、それから試合中になんだか自分の手が自分のじゃないように変に感じたこと



ケーキを持ったときに一瞬にして力が吸い取られるようになくなって落としてしまったことを伝えた。