「終了時間、5秒前。4、3、2、1



そこまで。



これより審査に入ります」



……終わった。



一時はどうなるかと思ったけど、あの後まともに作業できなくなったあたしに対して



翔斗は実習の時みたいに集中力を発揮して一人でやりきった。



あたしたちの調理台の上にはココア、抹茶、栗、ナッツの4つのパウンドケーキを「山」に見立てた家族のケーキが載っている。



それはパウンドケーキを1人用にカットしたのを、山に見えるよう工夫して並べたもの。



他の人も同じように花に見せたり、家に見せたりしてるみたい。



それから各調理台に審査員の先生たちが集まって、審査が始まった。