結局、門番の人はあたしたちがどんなに頭を下げて頼んでも首を横に振るだけで扉を開けてくれることはなかった。



そして、翔斗さんは再びあたしの手を掴み「ついてきて」と言うと、さっきの建物の場所へと歩き出した。



目の前の門には大きくスターリッジ学園と書かれており、その先には大きな校舎が立ちはだかっている。



さっきまで周りを見る余裕なんてなかったけど、こんな立派な建物だったんだ……。



「すごい……」



思わず感嘆の声が漏れる。



翔斗さんの足は目的地まで止まることなく進み、【学園長室】と書かれたドアを2回ノックをすると相手の返事を聞かずにすぐに開けた。



え!ちょっと相手の返事聞かずに入っちゃ失礼だよ!



「失礼します、学園長お話があります」



って、もう入ってるし!