「今日、ホイップクリームの使うケーキじゃなくて残念だね。
でも勝ち残ればそのうち出てくると思うからその時を楽しみにしてるよ」
「尚くん!ありがとう」
それから3人は手を振ってあたしと翔斗を送り出してくれた。
あたしもみんなに手を振り返して、先に歩きだした翔斗の背中を追った。
「行くぞ、絶対勝つからな」
「うん!あたしもできること精一杯する」
そして翔斗は調理室のドアに手を掛けた。
『峯岸未桜、お前のここでの楽しい生活もこれまでだ。
俺は絶対に翔斗をつぶす』
……どこからかあの時の声が聞こえた。
怖かったけど、意を決して後ろに振り返ってみた。
だけど後ろには誰もいなかったんだ……。

