―キーンコーン



最後のベルが鳴った瞬間、大きな大きな黒い扉はガチャンと大きな音を立てて閉められた。



同時にあたしたちも扉の前に着いた。



「扉を、扉を今すぐ開けてください!彼女はこの世界の子じゃないんです!」



こんなに速くあたしのために走って息切れしてるはずなのに、それを抑えて翔斗さんは門番の人に向かって頼み込んでいる。



でもあたしは隣で息を整えるのに必死で何も話すことができない。



「午前9時を過ぎてしまったので、人間界への扉は開くことができません」



だけど、門番の人は無表情で淡々と答えた。



「お願いします!」と何度も頭を下げて頼み込んでくれている翔斗さん。



「何度言われても開くことはできません」



それを頑なに曲げようとはしない門番の人にあたしはもう放心状態だった。



―あたしはもうみんなのところには戻れないんだ。