突然のお父さんの怒鳴り声にあたしと妹はハッとした。



いつもそんなに言葉を発しようとしないお父さんが怒るってことは相当なんだって一瞬にして理解した。



結局、その後は会話一つないまま頂上までの山道を歩き続けた。



頂上に近づくに連れて、だんだん道が険しくなってきて再び声にしたくなった時



それに気づいたお母さんは「嫌なのに、登らせちゃってごめんね。でももうちょっと着くから頑張って」と声を掛けてきた。



それから少ししてようやく景色が変わって、周りも木々から街や他の山も見えてきてすーっと疲れた気持ちがなくなっていった気がして



足取りが軽くなってきた時は6人で頂上まで登り切ることができたんだ。



「「お父さん、ごめんなさい!」」



風に当たりながら景色を黙ってみているお父さんはもう怒っていなかった。