夢を見た。



それは小さい頃に登った山登りの夢。



お母さんの提案で、おじいちゃんもおばあちゃんも登れる初級の山にみんなで登ることになった。



でも、歩いても歩いても視界に映るのは、地面の土に、周りには木の幹だけ。



だんだん飽きてきたあたしと妹は飽きてきて帰りたくなってきた。



「もうやだー!帰りたいよ!」



「疲れたー!」



口を開けばそんな言葉しか出てこない。



お母さんはあたしたちの機嫌を取るために休憩を挟んでくれたり、おやつを出してくれたり



おばあちゃんもしりとりしようと言いながら気を紛らせようとしてくれたけど



それでも帰りたい気持ちの方が強かった。



そんな時だった。



「だったら自分たちで帰りなさい!



そんな自分のことばっかりしか言えない2人はお父さんたちと一緒に登らなくていい!」