いいな、あたしにもその余裕を分けてほしい。



そう思いながら、また前を向きなおして話を聞く。



「そして、私は優勝者にはこの頑張りを今度は学園から出て、世界でさらに頑張ってほしいと思っています。



よって、優勝者には来年1年を学校ではなく



世界のスイーツの名店で修行をして、現場で今の見習いから本物のパティシエになるための力を磨いていただきます。



フランス、イタリア、日本のお店にはそれぞれ4ヶ月の修行の契約が成立しています。



精一杯頑張って下さい。応援しています」



学園長先生からのあいさつが終わると、盛大な歓声と拍手がホール中に響き渡った。




周りからは「修行したいな!」「今年の優勝者の副賞豪華だな」という弾んだ声があちらこちらから聞こえてくる。