「何やってんだよ、早く片付けて行くって言ってんだろ」



「……ごめん」



翔斗は「はぁ…」とため息を吐くと、調理台に残っていた道具を全部抱えてまた準備室の方に歩いて行ってしまった。



この状況を見ていた3人たちは「呆れられたんじゃない?」「いい気味ね」「大体お菓子も作れない、魔法も作れないだたの人間がここにいること自体おかしいのよ」と



翔斗が準備室に入ったのを見計らってあたしに向かって言ってくる。



「…………。」



こんな言いたい放題言われて、嫌ならば何かしら言い返せばいいのにと思うけれど、全部本当のことだから何も言葉にすることができない。



はやくみんながいるところに戻りたい。帰りたいよ。



あたしは手に爪の痕が残るくらいぎゅっと握りしめた。