「あれ?どっちが分身?今話している方が分身の翔斗?」



何にも考えずに聞いてみると、前触れなしにいきなりデコピンされた。



おでこが鈍い音して、ジンジンと痛む。



「今の話からどうやったらこっちの俺が分身になるんだよ。



さっさと始めねぇと向こうの俺からもコテンパンに言われるぞ」



「え……嘘でしょ」



もしかして……そんなことにはならないよね?



頭の中で考えたことが現実になったら、怖くてあたしは言葉にすることができなかった。



それから30分も経たないうちに、課題のミルクレープを作り終わったもう一人の彼が



こっちに歩いてきて、あたしは二人の翔斗から挟まれる形になった。