だけど、翔斗は材料を片付けるどころか調理台の上に出している。
「翔斗?今からもしかして……」
まさかと思って続きは敢えて言わなかった。
「……見れば分かるだろ。今まではあんたの特訓。これからは俺の自主練」
やっぱり……!
一瞬にして瞼の重みがどっかに行って、目が覚めた。
翔斗は粉を出し始めて何かを作るみたい。
駄目だ。あたしも寝てる場合じゃない。
自分に時間を割いてくれて、これから自分のために練習をするなんて
申し訳ないし、これで寝たら忘れましたなんて絶対に言えない。
「ねー!あたしも絶対に邪魔しないからやってもいい?」

