「ものすごい勢いで走っていく月丘先生見たけど…。何かあったんかな？」


「さぁ…？分かんない。」


春空も見たのか…、あの先生を。


「ほんまに千音も知らんの？ほんまに？」


「だから本当だって！何回言わせるの！」


さっきまで頬を伝っていた涙はいつのまにか消えていた。


「いいよ、千音。俺知っとるから。千音の秘密をな。」


私の秘密って？何か隠してたっけ？


「言ってみて。どんな秘密なのか。」