「いった~!もう、先生何するんですか!」


強烈なデコピンを喰らった。


「俺が完璧な理由をつけてやろうと思って…。」


何言ってんだ?って思ったけど、すぐに先生が何を言いたかったのかが分かった。


「千音!置いてってすまん!…って何してんだ?」


痛さに耐え切れず、うずくまってる私を見て、優と鈴が心配したような顔をする。


「千音、そこの角で頭打っちゃって。俺が慰めてた。」


入り口付近にある棚を指差して軽く笑った。


「千音どんくさ~。でも、大丈夫~?」


「うん。大丈夫。気にしないで。」


ほんとに気にしないで。私、そこで頭なんて打ってないから。



先生にデコピン喰らっただけだから…。