この世界に慣れてきた頃。

いつものようにお布団から起きようと、横を向くと。


(びゃ、白がいる…)


いつも朝になるとどこかへ消えている白がまだお布団の中にいた。

だから少し狭く感じたのかぁ。

いつにもまして重い体、筋肉痛のように痛む体の節々。


(熱っぽい…)


フラフラと起き上がろうとする私の腕を白はいきなり掴んだ。


「お前、熱いな。風邪か?」


お、起きてたの…。
あれ、でも私の事触れてもいないのに熱いってよく分かったな。

風邪なんて、どうして分かったの?


「呼吸が荒かった。」


(な、何気見てるんだ…)

もしかして、私が起きるまでずっとこうして起きてくれてた?

私の傍に居てくれてた?


(そこまでさすがにしないかぁ)


「汗でかなり濡れているな。」


白の言う通り、私の寝間着浴衣は汗でびっしょりだった。

体の熱がかなり高い分、汗もかくし喉も尋常じゃない渇きだ。


「そこにある浴衣に着替えておけ。」

「用意してくれたの?」

「わざわざ聞いてどうする。」


相変わらず冷たいけど、私のために用意しておいてくれたもうひとつの寝間着浴衣は風通しの良さそうな生地だった。