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妖怪の世界では、夜空は綺麗なんだなぁ。

人間界と違って、電気というものがないせいかとても暗く感じる。


今までずっと電気で過ごしてきたからな。暗いのには全然慣れない。


白から譲ってもらった布団は温かくて気持ちが良いけど、何だか少し罪悪感。


壁にもたれ掛かる白は気にしない様子ではスヤスヤと眠っている。


「ね、ねぇ。」


返事は返ってこない。


「起きてる?」


やはり寝てしまったのか。


「ねぇってば。」

「なんだ。」

「…っ…、」


お、起きてたんかい。
白は私を見る。言いたいことがあるなら早くしろと言いたげな眼差しで。


「あの、お布団やっぱり一緒に使いたいなって。」


「嫌だと感じていたのはお前だろう。」


「でもさ、これ白のだし。だったら私が布団なしで寝るし。」



「うるさい奴だ」とため息混じりに言った彼は躊躇することなく布団にもぐり込む。


瞬間、高鳴る胸の音は、うるさいくらいに脈打って。ドキドキする。

一緒に寝るなんて、やっぱり私にとっては毒だぁ~…。


「ねぇ、白。」


何も言わずに眠る白に私は喋りかける。

彼が隣にいることで、よけいに眠ることが出来そうにない私は、寝返りを打ち仰向けに寝た。


「もし私が妖怪になったらどう思う?」


もし、私が妖怪なったらどうなるんだろ。

て言うか、どうやったら妖怪になるの?
もし妖怪になったら白は私をどう思うのかな。


「もし、運悪く黒狐に連れ去られたら、白はどうする?」


もし黒狐に連れ去られたら、白は私を見捨てるだろうか。命に代えてでも私を助けるだろうか。



「もし、白のお嫁になるって言ったらどうする?」