黒狐は、黒狐なりの理由があった。 ここまでに変化してしまう程、辛い思いをした。 こんなにも過去に執着するほど、家の主を信頼していた。 「俺の事はどうだって良い。 次は雪ちゃんの話をしようか。 君には言っておかなきゃいけない事がある。」 そう言って私に近付いてくる黒狐は私の目の前へ来ると、 座る私と目線を同じにした。