私の大きな叫び声が、暗い空に、屋敷に響き渡る。 「もう分かったから。離してあげて。 黒狐の所に私が行けば良いんでしょ? だったら行くから、水湖様を離して。」 「じゃぁおいでよ。ほら。」 水湖様を床に投げ捨てて、腕を広げる黒狐。 「雪、少しの間待たせるが、死んでくれるなよ。」 助けに行くと言うことか。そりゃそうだ。 私が黒狐の所に行くと決めたのは、白が助けに来てくれるって自信があったから。 (助けに来てね、絶対……、)