やっぱり、あの時見えたイメージは一瞬だけ見えた柊さんの記憶の一部。 ――『捕まえろ!!』 入り込んで来たのは、人間の叫び声。 猟師の声だった。 ――『これは美しい鶴だな。』 猟師さんは、鶴を狩っていたのか。 遥か遠い昔では、今以上に生息していた鶴は狩猟の的だった。 弱った鶴、柊さんを雑に掴む猟師は、彼女を鎖に繋いだ。 ――『大人になるまで待たねばな。』 あの傷は、子供の頃に付けられたんだ。