「そんな寂しそうな顔すんなって!」 いたずらっぽく笑う朝霧さんは私の前に手を差し出す。 一体何をしているのか分からない。 「悲しんでる雪に。」 差し出された手のひらからは小さな炎がポッと姿を現す。 その炎はみるみる姿形を変えてあるものへと変化しいていく。 「そいつ、やる。」 朝霧さんがくれたのは、自身の力で作り上げた一匹の動物。 真っ白な小さな犬だった。 だけど、その犬の目は赤く、炎を口から吐き出す。 (す、すごい…、)