「白さん!そう言えば、雪ちゃんに知らない誰かの羽織りが掛けられてましたよ!」 「なぜお前がそれを知っている。」 とぼけるこいつは、自身がした事に罪悪感というものすらないのか。 (……呆れたものだな、) 「なぜ、その羽織りが見知らぬ者の羽織りだと分かった? 俺の羽織りだとは思わなかったのか? それとも、お前が雪に掛けたのか?」 瞬間何も言わなくなったカエデは、下を向いている。 あんなので、俺を騙そうなど出来るわけがない。 (なめられたものだな…、)