(……ん?) 朝霧さんは、さっき、私くらいの女に盗られたって言ってたよね。 私に朝霧さんの羽織りが掛けられてて。 (そんなはずはないよね…、) カエデちゃんがやった仕業だなんて。 「白様の所に戻りてーか?」 その質問に私は首を横に振った。 どうせもう帰る所何てないんだ。 「なら成立だな。嬢ちゃん、雪の事が気に入った。」 気に入られたのなら尚更嬉しい事だ。 新しい生活は慣れるだろうか。