「ぴす!」 私の膝の上に座る黒ちゃんは何だか元気のない私を慰めてくれるかにように、顔をすり寄せてくれる。 「黒ちゃん、お散歩する?」 「ぴす!」 こういう時はお散歩に限る。 楽しい事に没頭することで、嫌なことを忘れられるんだ。 いつものように黒ちゃんを頭に乗せて、外に出ようとしたとき。 「私も一緒に行っても良いかな?」 カエデちゃんと仲良くなれるチャンスだ。 初めて同年代くらいの妖怪とお話をしたから、何だか嬉しい。 もっと仲良くなれるチャンスだ。 「うん!」