秋の紅葉に、鹿と、水。 このコントラストは想像以上に美しく魅力的だった。 口ずさむように、また詠む彼女の瞳はどこか悲しげで。 「奥山に 紅葉踏み分け 鳴く鹿の 声聞くときぞ 秋は悲しき」 奥深い山の中で、 一面に散りしいた紅葉をふみわけて鳴いている鹿の声を聞くときは、 秋の寂しさがいっそう悲しく感じられる。 そう言う意味合いのある詩は、まさに今の景色にピッタリだ。 たびたびその状況に合った百人一首を口ずさむのにも何か理由があるに違いない。