「逸らすな。俺を見ろ、雪。」
だって目を見たら術をかけるつもりでしょう?
もう苦しいのは嫌だ。
(ダメ…!本当に苦しい…、)
苦しさを紛らわしたいのか、濡れ女は私を借りて声を出して苦しむ。
(いっそ…、)
早く、この苦しさから解放されたい。
「濡れ女に私の生き血をあげてよ!早くしてよ!苦しい…!!」
思いきり叫ぶ声は、苦しくて掠れてしまう。
出ない声を振り絞って出した声。
白が私に触れるたび、そこはまるで火傷したかのように熱を帯びる。
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