「他人でしょ、レンゲちゃん」 「そうだね」 「こんな風に慰めて、恩でもきせたつもり?私のこと、利用するんでしょ」 「……亜矢子を利用しなくても、私はなんでもうまくやれるのよ」 肩を竦めて言った。 「なのに、隣にいてくれるの?」 「バカだね、亜矢子。本当に、あんた不器用だね」 ゆっくりと亜矢子の頭をなでた。ぎゅっと目を瞑る。亜矢子は、しがみつくようにレンゲに抱きついた。 「ねえ、亜矢子」 嗚咽に肩を震わせながら、ゆっくりとなみだでぐしゃぐしゃになった顔を上げた。