「それ着て、さっさと出てけ」

 底冷えするような声音に、三原がハッとしたように目を見開き、戸惑いに揺れる瞳で銀也を見た。

「銀也君……、私……。ごめん……、ごめんね……」

「なんで三原さんが謝るの。俺が悪いのに。早く、こんなところ出て、ちゃんと保健室行けよ」

 痛むだろう脇腹を押さえながら、慌てて上着を身につける。乱れを気にすることもせず、扉を開け振り返ることなく三原は部屋から出て行った。

 ゆっくり息を吐いた。
 無言のまま、はだけたシャツを直す。汗でべたついて気持ちが悪かった。くしゃりと、両手で頭を抱える。

「……本当に、最低だな」

 何度も何度も、他人に言われたその言葉。
 初めて、自分で口にした。