いつの間にか、冷たい廊下には私の軽い足音が響いていた。 なぜだか、肩まである髪が後ろへとなびいていた。 そして、自分の口からもれる、先程までのとはまるで違う荒い息づかい。 私は走っている。 春瀬のために、自分は今、走っている。 思わず笑う私。 なんだ、私。 無意識に走り出してしまうくらい、春瀬のことがこんなにも。