君の嘘を知らなくて(仮題)









正直事情がどうであれ、クラスメイトの人気者男子と同じ屋根の下暮らすと言うのは、困った話。

出来ることなら過去に戻り、勝手に話の進められていた同居の話をなかったことにしたい。




事情が事情だから、しょうがない気持ちもわからないでもない。

同居の話がなくても、あたしと望月くんがこれから親戚と言う関係になってしまうのは避けられない話。




だからって何で、相手が望月くんだったの!?

もう少し地味~な目立たない男子、いるでしょ?

よりによって、どうして望月くんなの!?




今更な気もする。

過ぎ去った出来事はしょうがない。

同居は本音言えば今すぐ解消したいけど、目をつむりましょう。




早く同居を終わらせるには、望月くんの両親がさっさと帰って来れば良いのだ。

それで万事解決!






「……いつになるんでしょう」


「へ?」


「実は僕たちも、突然海外へ行くと聞いたのですよ。
ですからいつ頃帰ってくるかは…サッパリ」




…会ったことないけど望月の夫婦よ。





何故子どもに何も言わないで突然行っちまう!?

一言ぐらい言ってけよ!

せめていつぐらいに帰りますってさあ!!