蒼矢と付き合うことになって次の日からそれは

始まった。



『 死ね! ブス!! 』 と書かれた大量の紙、

トイレに入るとどこの水かわからない水が頭上から降ってくる……

階段で押される。




「 そう、世に言ういじめが始まったのだ ! 」


「 はぁ……。


瑠璃、それ堂々と言うこと?」



腰に手をあてながら宣言する私に、暁は目尻を下げながら怒った。



「 だっていじめだよ?!

人生で体験できるなんて、そうそうないじゃんーー」


「 なんか、友達なのにもっと虐めてもらって欲しいと思ってしまう…… 」


両手を合わせ、ななめ上を見上げて感謝した。


神様、ありがとうございます!!



「 そもそも瑠璃はポジティブ過ぎ___ 」


「 それほどでもぅ。 」


暁に褒められ、謙遜しながら舌を出した。



「 褒めてない! 」

バシッ



しばかれてジンジンする頭を押さえると、

床に無数の人影が映った。



「 ちょっと唐沢さん、来てくれる。 」


「 あ、は〜い! てことで、暁行ってきます! 」



「 え、ちょっ瑠璃! 」



止めようとする暁の手を回転してかわすと、

笑顔で

【大丈夫】と口パクして親指を立てて見せた。