だんだんと空気が悪くなってきた気がした。 他のクラスからも噂を聞き付けて人が押し寄せ、収拾がつかない。 先生の声が聞こえたけど、誰もいなくなろうとはしなかった。 ───その時、聞こえた。 間違えるはずない大好きなあの人の声。 「あーあ.....やっぱりモテちゃうよねー.....」 その声とほぼ同時に腕を引かれた。 人の塊から抜け出て、新鮮な空気が肺に入り込んできた。 春馬は私の腕を引いたまま教室の前に進んだ。