春風が吹くなか、僕は君を見つけた。



桜っていうのは植物のことなのに。



自分の名前を呼んでくれたような気がして顔が赤くなる。



「あれ?照れちゃった?じゃあ、これから桜って呼ぼーかなー。ね、桜。」



「や、やめて....」



心臓が持ちそうにない。



今だって春馬に聞こえるんじゃないかってくらいバクバクいっている。



「あははっ。桜ってさー、桜好きだよね。」




「え?」



私、桜が一番好きだけど、その事を春馬に言ったことはない。