春風が吹くなか、僕は君を見つけた。



そして前髪を目にかけた。



「確かに見たときは、入学式で見た子だって思った。でも、俺が好きになったのは、図書室で会ういつもの北野だから。」



恥ずかしいな。なんて頭をかく春馬。



私は止まりかけた涙がまた溢れた。



「え....俺なんかヤバイこと言った?」




「違う.....違うの....!」



ずっと待っていた言葉。




私はどこかでこの姿でも好きでいてくれる誰かが現れるんじゃないか、って思ってたんだ。



「私も.....私も春馬が好き!!」



涙ながらに出た言葉。