春風が吹くなか、僕は君を見つけた。



「私の姿。見たでしょ?」



私はメガネを外し、前髪を分けた。




「うん。見た。」



春馬はにこにこと笑っている。




「じゃあどうして、誰にも言わないの?」



私の叫びが誰もいない教室に響く。




「好きだから。」



「......っ」



息が止まる。



「北野がばれたくないから、隠してるんだろ?きっと理由があると思って誰にも言わなかった。」