春風が吹くなか、僕は君を見つけた。



「今頃田口くんに告白しにいってるんでしょ?」



「どうせオッケーするでしょ。あの子顔だけはいいから。」



「うわひっどー。でもそうだよね。かわいいっていいわー。」



「どうせうちらのことバカにしてるんだよ。私よりも醜いわねって。」




足が震えた。



私はそんな風になんて思ったことはない。



なのに、そんな風に思われてたなんて。



違うと叫びたかった。



でも結局今の関係を壊すことが怖くて。



私は気づかないことを選んだ。




『ごめん!お母さんにお使い頼まれちゃって!先帰ってるね!』



LINE をして走って逃げる。



みんなから。現実から。