春馬side



この前、北野さんが俺のことを名前で読んでくれた。



そんなの前の彼女なんかでは普通だったのに、なぜか柄にもなく喜んでしまった。



タメ口はまだハードルが高いようで、まだ敬語だけど。



少しずつでいいやと思う。




こんなこともはじめてだ。




なぜか俺は、委員会がある放課後を楽しみにしていた───。




「なんか最近顔緩んでるなー。なんかいいことあった?」



「そんなにか?」



授業の合間の休み時間。



竜也指摘され、顔を押さえる。




「しかも最近、噂の美少女探してないし」


「え!?」