春風が吹くなか、僕は君を見つけた。




「昨日本屋さんで止まってただろ?それでいつも北野その人の本読んでるからその本かなーって。

もしかして違った?」



「いえ、これです」



でも.....



「もらえません」



なんでーと瀬戸くんが口を尖らせる。



「そんな、本を買ってもらうなんて。せめてお金を払います。」



そういいお財布を取り出そうとした私の手を瀬戸くんが制した。