「帰ろ。北野」 何回か委員会を重ねるうちに一緒に帰ることに抵抗がなくなってしまった。 夕暮れに染まった道。 二人の影が伸びる。 「それでさー」 瀬戸くんは私に無理に話させようとしない。 いつも一方的に話しているだけ。 少し悪い気もするけど、これ以上の距離には縮まない。 これ以上踏み込んだら、 戻れなくなる。