『春斗、ここが中学校?』
『そうみたいだな、なんか、緊張する。』
新しい中学校の前で
緊張のあまりに立ち止まる二人。
そのとき後ろから私を呼ぶ声がした。
『あれー?小春ー?』
ん?
『あ!さおりん!』
さおりんとは、
私が小学校の時に
仲が良かった、活発な女の子。
でも、小学5年の時に急なお父さんの転勤が決まって離ればなれになってしまった。
まさか、また会えるとは!!
『小春変わんないねー!ちょっと、背と髪が伸びたくらい?』
昔はしょっちゅう
さおりんにいじられてたなあ、
『何もかもが変わったよーだ。』
フンッ。
『うそうそ!なんか、雰囲気は変わったね!女の子らしくなってんじゃん!』
はい、実は私もさおりんと一緒に男子とサッカーしていた一人です。
『まあね、さおりんが転校してからは男子と遊ばなくなったからかな。』
『ごめんごめん』
さおりんが、笑いながら言った。
『ねえねえお二人さん。俺のこと忘れてない??』
あ、春斗。
『ごめん、つい話し込んじゃって。』
すると、さおりんが
『春斗じゃん!全然気がつかなかったよ!』
『ひどいな、九条。』
あ、申し遅れました。
さおりんは、九条さおりという名前です。