先生が話し出しても、まだ顔が熱い。

桐崎くんの声で、何度もリピートされてる。


いきなり、好きだよなんて言われちゃったらニヤけるに決まってる。


なんだぁ。心配しなくてもいいじゃん。


もし、桐崎くんに振られたとしても
私は諦めずに、また振り向かせればいい。



「ふふっ」

私は教科書を口に当てて、ニヤっと笑う。


「ほぉ〜。そんなに俺の授業が楽しいかぁ?」



……そして、その声を聞いたところで思い出す。1時間目は、大嫌いな数学だ。



「そんなに嬉しいなら解けるよなぁ?
じゃあ、問3は高野にしよう」


ガタッと席を立ち、黒板に目を移すが全くわからない。

チラリと桐崎くんを見ると笑いをこらえている。


………うっ。で、でもそんな桐崎くんだから。





私は、ずっとずっと好きです……。