手を繋いで帰ったあの日。

私は幸せすぎてご飯まで手を洗ってなかった。


次の日、寝坊せずに学校へ行くと
いつもより桐崎くんの周りに女の子が集まっていた。


モテるのは知ってたけど、あんなに集まったことは無い。

なぜなら、彼が嫌がるからだ。



でも、どうして…?


そう思って突っ立っていると、あゆちゃんが隣に立って話し出した。


「なんか、彼女ができたって言うのを噂で聞いた女子たちが一斉に来てるのよ」


………マジ、ですか?



「でも、桐崎言ってないよ」

「え……?」

それは、私を彼女だと認めたくないからですか!?


心配する私にあゆちゃんは優しく微笑んで小さな声で言った。


「あんたの為だと思うよ」


え……?

私の為?


な、なんで!?


「……ほら、1回叩かれたりしたでしょ?それで、また言うと桐崎のことを好きな女子に嫌がらせされるって思ってるんじゃないの?」


「だから、言わないでくれてるの?」

「だと思うよ~」

なにそれ……。


桐崎くん、かっこよすぎます!!


だけど、今は話しかけられる雰囲気じゃないので私は自分の席に座った。