「だから、ごめん。 多分、これが恋だ」



もう1回、しっかり花織の目を見て伝えると、花織は大きなため息をついた。


「はぁ、"多分"じゃなくて好きなのね。仕方ない、諦めてやるか!」


そう言って、微笑んで俺の頬をつねる。


「言っとくけど、私が怜以外に本性見せたの仁菜ちゃんだけなんだからね…!
こんな私に、笑顔を見せて話してくれたのも仁菜ちゃんだけだもん……っ、」



つねりながらも、手が震えてきて涙を流してる。


俺は、花織の頭をそっと撫でる。



「……私、またアメリカ行かなきゃ行けないんだ……っ」


そう小さな声で言った。



「だけど、今よりもっと天才になって帰ってくるから仁菜ちゃんによろしくね」


さっきまでの泣き顔とは別に、笑顔で俺にそう伝える。