「え……?」
私と桐崎君の間で時間が止まったような感じだ。
「これ、俺のファンにやられたってほんと?」
な、なんで知ってるの……?
「え……っ、いや……」
戸惑う私に、桐崎くんは目を細めながら雨を見上げる。
「……で、でもね、私は大丈夫だよ!
ほら、こんなに元気だし…!」
元気な感じでそう言うと、桐崎くんは静かな声で言い放った。
「もう、めんどくさい。
俺のことなんでも探るのやめて。
疲れるから、近付かないで」
"近付かないで"そういった桐崎くんの顔は今まで見たこともない顔だった。
「お前を好きになることはないから
一緒にいても傷つくだけ」
そんなにハッキリ言わなくても……っ
え……?
嘘、だよね?
また、「嘘だよ、バーカ」って笑ってくれるよね?
何分待ってもその言葉は聞こえてこない。
え……?
「じゃあね」
それだけ言うと、桐崎くんは雨の中外に出ようとする。



