「はい、じゃ、気をつけて帰れよー」
先生がそう言うと、チャイムがなってみんなが一斉に立つ。
「仁奈、じゃあね〜」
あゆちゃんに、話しかけられて笑顔で手を振る。
教室を見ると、桐崎くんの姿はなくて、私は慌てて教室を出た。
「……きり、さき……くんっ!!」
昇降口まで走ると、靴を履き雨を眺めてる桐崎くんの姿。
「……なに?」
そう言って振り向く桐崎くんの手には、傘が握られていない。
私は慌てて、靴を履き終えてから桐崎くんの横に並んだ。
「傘、ないでしょ?一緒に帰ろう!」
そう言って微笑むと、桐崎くんはじっと私を見つめて、頬に触れた。



