秋か冬だったか、小学校6年生の時だった
あまり帰らない姉が、わたしにある犬を授けた

姉が「ルナ」と名付けた
柴犬寄りの雑種の茶色の捨て犬だった

面倒を見てね、と頼まれた
犬を飼いたかったわたしにはとても嬉しい事だった

昼間は外の犬小屋で、夜は倉庫に移した
冬だから寒くて、夜起きてるとルナはいつもきゅんきゅん鳴いていて
倉庫まで行って、ルナを抱きしめ綺麗な星空を眺めた

前の犬が放し飼いだった為、ルナもほぼ放し飼いだった
でも散歩に行くと二回くらい真冬の用水路に落ち助けてコートにくるんだ

孤独だったわたしの一緒にいてくれる存在だった
春になったらつくしを、桜を見せてあげたい
車で暖かくなったら一緒に出掛けたい

そう願っていた