第二秘書は恋に盲目

お昼を過ぎた頃。
この調子で何も起こりませんようにと祈りを込めていると、電話が鳴った。
フロントからだと表示されている。

「大変です。
先ほど、ウィルが宿泊しているとは本当かという問い合わせがありました。
SNSでそのような噂を見たとおっしゃっていました。
もちろん否定しましたが」

「うそ……」

頭が真っ白になるとはまさにこのこと。
脳が現実を受け入れることを拒否するような感じ。

だけどこれは、悪い夢なんかじゃない。

「わ、わかりました、至急確認します。
もし、同じような問い合わせがあっても、否定してください」

私は急いでパソコンに向かった。
SNSで流れてる?
そんな、バカな。