第二秘書は恋に盲目

「そうですか。しかし、笠原さんが否定しようと、お二人の関係は言い逃れができないでしょう。
医者と患者が恋愛なんて、よく思わない人が多いですしね。
いつでも公にできるんですよ。切り札はこちらにあることを忘れないでいただきたい」

なんなのあの男。
聞いてりゃ須藤先生をおとしめようとしてさ。何様のつもりよ。あんたが須藤先生に勝てるわけないっての。

「須藤先生はものすごく頭の良い方のようですね。看護師さんから聞きました。
金子さんが裏で何を企もうと、見透かされてしまうかもしれませんよ？
須藤先生にいつも、してやられる気持ちはわからなくもないですが、とにかく私は金子さんの味方をすることはありませんので、お引き取りを」

おお。優しい顔を見せながらもバシッと言ってやった。
笠原もなかなかやるじゃん。