第二秘書は恋に盲目

病院の廊下を歩いていると、正面から白衣の集団がゾロゾロとやって来た。

はぁ…。見慣れた光景ではあるが、やっぱりうんざりする。

俺の勤める病院は、医者の数も看護師の数もベット数もかなりになる大病院。。
そうなると、派閥や勢力争いなんかも当然のように存在している。近々新しい副院長を決めるらしく、その座を巡っての争いは水面下で静かに始まっている。

俺をよく思わない人が近くにいるのは今に始まったことではない。
常にそうだったから、今ではもうストレスも感じない。

と言っても、日本で面と向かって嫌味を言ってくる人はおらず、ほとんどが陰であることないこと言うタイプ。
…この金子という外科医を除いては。